WebSig1日学校
日時:2010/11/27(土)10:30-19:00
場所:デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ
ハッシュタグ:#websig1ds
開校のあいさつ
実行委員長:インテリジェントネット 和田嘉弘さん
あななとWebの未来を変える1日
何が変化してきているのか
・社会
・インターネット、Web モノよりコト
・ツール
WebSigでは、長く使えるモノの見方や考え方を持って帰ってほしい
副実行委員長:技術評論社 馮(フォン)富久さん
1時間目:国語
デザイナーの国語
PAMiっていいとも!
~おもしろ法人のデザインアワー~
バーン
(表紙からカヤック全開)
講師の方は今、おそらくツイートしている・・・
でもあれはたぶんiPhone3G。
でっかいThinkPadにWindows7を入れている。
(お決まりのあれから)
「いい天気ですね!」
「そーですね!」
「みなさん、PAMiってますか?」
「そーですね!」
「ありがとうございます。それでは始めましょう」
自己紹介
カヤック:林真由美さん
Twitter: @barimi
元気玉、YUREX、Let It Sleepなど
社員一人一人AdWords出しているのでググってみてね
面白法人カヤックとは
おもしろい会社、おもしろ会社、面白い会社 でGoogle1位
こえ部、Let It Sleep、とびだすカメラ、SAP(Social Application Provider)など
経営理念:つくる人を増やす。
メインはWeb制作
wonderfl、jsdo.it などもその一環
デザインの国語とは?
「組み合わせ」ることができる人
形とか色とか質感とか・・・
コンテンツ×マウスカーソル kakaku.com
オンラインショップ×行列 UNICRO
テキスト×位置情報 なかまっぷ
顧客対応×Twitter Softbank「やりましょう」(カヤックも同じようなことやってます)
うんこ×教育 うんこ演算(iPAdアプリ)こどもって「うんこ」好きですよね
なかなか申請が下りないので、「今日、うんこ出ないの?」みたいな
海外では却下されてしまうが、うんこがわりと市民権を得ている日本なら・・・
うんこ×音楽
「こんな組み合わせってないよね」みたいなところにアプローチできるのがデザイナ
「すべては組み合わせ」と考えるとわかりやすい
たとえば料理のために材料を選んで調理するのも同じ
素材を組み合わせて再構築する過程で「良くしよう」と意識すること
そこがデザイナの本業とするところではないだろうか
YUREX ブラウザ×貧乏ゆすり ブラクラ
貧乏ゆすりはクリエイティブな行為
→積極的に貧乏ゆすりをすることでいいものが産まれる
ネガティブをポジティブに
無駄をクリエイティブに
貧乏なのにリッチ(12000円するww)
ブラクラ:ブラウザクラッシャー
ブラウザを無限に起動する、とか
フロッピーディスクにアクセスすると「コンコン」言い出してPCが止まる(コンコンがかわいい)
ブラクラが流行りすぎてJS対策が施されたが、Flashはまだ、とか思いながら自分でいろいろ作っていた
ブラクラ自体は本来迷惑なものだが、捉え方次第で面白いものに。
ユーザのアクションに対してつながりが持てるところはどこだろう?
それは「リンク」では?リンクに何かしかけたい。
そのとき、貧乏ゆすりのブルブルとブラクラのブルブルがつながった。
「相反するものを表現する」というところにつながりそうだった。
YUREX:リンクにマウスオーバーすると、サイト自体がブルブルゆれる。
大切なことは「とにかくやってみる」こと
言葉にするのはその第一歩。例えば「黄色」と言っても結構幅が広い
KAYACデザインナーブログ
KINNECTについて実物よく知らないけど、とりあえずまずはまとめてみたり
何でもいいから、取り敢えず言葉にすればかたちになっていくのではないか
PAMiっていいとも
もちろんデバイスも素材!で、
PAMiっていいとも!
- 「Pc」いろいろできるよね
- 「Android」画面サイズが小さいけど大体3種類くらい。バージョンは国内では1.6が主流。iPhone3Gとセンサ類は共通。
- 「Mobile」ケータイ。キャリア対応大変だけど、普及率が半端ない。
- 「iPhone/iPad」iTunes安定してるけど審査厳しくなってきた、アプリたくさん起動すると温かくなって冬はいいかも。
注意点:iPhoneとAndroidは似て非なるもの。WindowsとMacより違う。まったく別物なので、別に設計しないとうまくいかない。
iPhoneのために作ったものをAndroidに移行してしまうと、全く使いにくいものが出来上がってしまう。
期間も大事。瞬間的に楽しんでもらう一発ものなのか、長く使ってもらうものなのか。
技術的な制約もあるので、その辺も知っておかないと、いざやろうとするとできない、みたいなことも。
寝言録音:iPhone×睡眠
寝る直前てどんなだろう。もう暗いかもしれないし、あまりビカビカしたものはいらない、ので、暗いトーンにした。
「新しいものを素早く自分の素材にする」ことが大事
プラットフォームも素材の一つ
Twitter、Facebook、USTREAM、Myspace、Flickrなど・・・
外人の間で俳句が流行っているみたいなので、それを捕まえてFlickrに、とか
ドアノブのかたちは本当にこれでいいんだろうか、と考えてみる
例えば、Yahoo!と同じにしましょう、って言って安易に安心しちゃだめ
それだと面白いものが作れなくなっちゃう
例えば昨年のカヤック求人サイト
最初のFlashページで、Skipを設けない(Loadingを兼ねる)
「記憶に残る」がテーマ
好きな「言葉」を入れると、それに応じたコンテンツが表示される
そうすることで、少しでも記憶に残る、のではないか
そういうことを意図してデザインする
「Webデザイナー」って何だろう?
昔はWebで表現できる人、だったけど、今は違う
iPhoneアプリ作ったら、リアルな世界でも使えたりして、ブラウザの枠を飛び出している
グラフィックっていう意味では、質の高いデザインテンプレートがたくさんあったりして
デザイナがいらなくなっちゃう、みたいな不安もあったりするが
で、PAMiっていいとも
素早く柔軟に対応していいこう
面白いものをつくる
鎌倉×採用
エンジニア鎌倉移住キャンペーンやってます
デザイナー、マークアップエンジニアも対象(年内)
PAMiってる人いたらぜひ紹介してください
マンガ名刺すべて私が作っています。名刺交換したい方はぜひ休み時間にきてください。
質疑応答
デジハリ大学1年生「Androidアプリで苦労したこと、期間など、具体的なことをきかせてほしい」
- マーケットを意識する必要がある
- 24時間以内は返品できてしまうので、24時間後になんか出るようにすると返品されにくいww
- やっぱりiPhoneの方がギャグアプリは多い
- HTML5でゲームとか作ればiPhoneでも遊べていいかも
「エンジニアとの絡みって?」
- エンジニアの人に進捗聞いてみたら「コミットログ見て」って言われちゃうとか、、汗
相手の言葉でしゃべることが大切。デザイナーとエンジニアで分けちゃうとうまくいかない - あと、自分はプログラム書けるわけじゃないけど、簡単に読める書籍をさらっと読んでおく
そうすると、何をしてほしいとか的確に伝えることができるし、女性でプログラムのことがわかるとグッとくるみたくて、話しを聞いてもらえるようになる - 話しべたな人には、TwitterとかIRCとか利用したり、その人に合わせる
- インターンの若い女の子に伝える役目を頼むと、すごく早く上がってきたりするのでオススメ
Flash Jobsもよろしく~
2時間目:算数と社会の予習
あらいなおひでさん(47)
アマチュア無線→パソ通→リクルート→IMJ→現在
わかることは何か?
わからないことは何か?
この20年で変わったこと
・参加人数がすごく増えた
・コストがすごく下がった
ポイント
1:日本にいる限り、客数は減り、労働者母数(ライバル)は増える
2:個人は、イヤでも自由な方向へ
→必需品を作る巨大企業と、個人的なクリエイティブクラスに2極化する by Drucker
条件を見る限り、日本の規模的な経済成長は難しい
3時間目:算数
東京造形大学非常勤講師 佐藤好彦さん
算数とは、独自の世界
たとえば、3+4=7 これが世界共通で誰にでも伝わる
閉じた世界があり、その中で普遍的なルールがある
そこが、デザインが求めるものに似ている
イコールで結ばれている、異なるものが同じである、というところにも重要な意味がある。
「内的必然性」 ワシリー・カンディンスキー
モネの「つみわら」を、逆さに見る カンディンスキー 抽象画を描き始めた人の一人(ちょうど展覧会をやっている)
「何の絵だかわからないけれど、きれいだな」と思った
つまり、絵画とは、色と形の組み合わせであり、それだけで美しさにたどりつける、そして抽象画を描いてみた
ジャクソン・ポロー ペンキをバシャっとぶちまける、で、カッコイイ
カンディンスキーは考えた。
どうすればかっこ良くなるのか。必然性が必要ではないか。それぞれにアイデンティティがある。
→「内的必然性」
では、デザインにおける内的必然性はどのように考えることができるか
「デザインとは、意味のある秩序状態を作り出すために意識的に努力すること」ヴィクター・パパネック『生きのびるためのデザイン』
たとえば、ばらばらと2色のプレートをばらまく。これは「無秩序状態」
次に、黄色を左、赤を右にわける、というルールに従って動かす
さらに、2列に並べる
これらのルールが、見ている人に伝わる
今、意識して、努力した。そこに、デザインが産まれる、構造が見えてくる
一旦、単純化して考えること、が大事
たとえば法律もルールの一つだが、一番重要なのは物理法則だと思う
目に見えないけど、誰もが感じている
作った人の法則が見えてくることによって世界が作られ、それがデザインの質に関わる
いろんなデザインの本があります。たとえば、黄金比とか。
実際、黄金比の四角を見て美しいと思うか? →結局、四角が美しい訳ではない
一般論としてのデザインのルール を追求しがちだが、本当に重要なのは
自分自身のデザインのルール や、
一つの作品を構成するルール。
それらを追求する中で、最終的に一般論としてのデザインのルールにたどり着けたら素晴らしい
そういうことを大事にしていくべき
つまり、自分でルールを作り、それを守っていくということ
「見えないものを見えるようにすること」 パウル・クレー
3+4=7 において、「イコール」が重要なんではないか
何かと何かが等しい、あるいは似ている
たとえば親父ギャグ。ことばの音やリズムが似ていることを遊ぶ。
人はそれをなぜ楽しむのか
たとえばリップスライムの楽園ベイベー
常夏とココナッツをかける(韻を踏む)
似ている、というだけで、そこに気づくことができ、伝わる
実は音楽も同じ。ジャンベルというアフリカの楽器がある。
適当にたたくと、何も伝わらない
しかし、そこに同じパターンの繰り返しを入れると、「同じもの」というのがわかり、伝わる
それはすべての制作物に共通する
たとえば建築物もそう。同じパターンを積み重ねることによって、人間に伝わる
まず、バトンを置いてみる
そこに、適当に板を置く。これは伝わりますか?
では、こうしてみたら(端を合わせる)、意図が伝わるか
言葉があると認識できる、という機能があるため、右揃い、左揃いは伝わりやすい
しかし、真ん中揃いは少しあいまいで、わかりにくい
20世紀のデザインでは、真ん中揃えは嫌われてきた
素人にデザインさせると、よく真ん中揃えが使われる傾向があるが
あるデザイナーが「真ん中揃えはやめようよ」と言い出し、それがわりと尊重されてきた
右揃えの赤い板に加えて、同じ距離で右揃いに黄色い板を置く。これも伝わる
さらに赤いバトンを同じ距離で端をそろえて置いていく
さらに長いバトンも右揃えに等間隔で置き、バットだけ、やはり右揃えで半分の感覚のところに置いてみる。これも、伝わる
そして、ラインが見えてくる。書いてないけど、見えてくる
それが背面の構造。
音楽も同じ。リズムにのって、体を動かしてもらう。急に止めると、体が少し動いてしまう。
これは、リズムを奏でている一つのルール(背面の構造)が伝わっているから。
「見えないものを、見えるようにする」 パウル・クレー
この、背面にある見えない構造をいかにして作っていくかがデザインにとってとても重要
「神はサイコロを振らない」アインシュタイン
サイコロを振るということは、「何も意図しない」ということ
構造が見えてくると、面白いと感じることができる
たとえば、色であったり、位置であったり、書体であったり
何をそろえていくか
数学に戻って
たとえば、円に内接した台形のある角度がわかっているときに、
その対角線上にある角の角度を求める
補助線がないとこれはとても難しい問題になるが、
補助線が一本加わることで、構造が見えてくる
デザインの構造を見せるときも同じ
背面の構造に気付いてもらうために、補助的な役割のデザインを割り当てる
「センス」を因数分解する
よく「センス」があるという
この中の多くの部分は、実は因数分解できる
つまり、表向きに見えているものは限られているが、背面にある構造に気付くことで、センスの理由がわかる
こういう仕組みづくりをしていくときに、自分の中のルールを作っていくことでやりやすくなる
自分がやっていることを、できるだけ単純化して、なるべく言葉にする
他の人のではなく、自分のやっていることを言葉にするのが重要
そうすることによって、自分の持っているものが自分のノウハウになる
デザインを学ぶときに、よく、他人のデザインを学びがちだが、
自分のデザインの中で行っていることを分解して言葉にすることによって、多くの学びを得ることができる
人間がものを作るときに、どういうことを考えているのか
音楽にしろ絵にしろ文学にしろ数学にしろ、共通のパターンがあるはず
4時間目:社会
デジタルメディア研究所 橘川(きつかわ)幸夫さん
社会とは何か
何が始まって何が終わったのか
自分は、70年代ですべてを見て、そこで終わっている。既に抜け殻です。これから抜け殻が話します。
メディア的自己紹介
1968年、国学院大学入学、文学部、文学の同人雑誌を作る
当時、同人雑誌はとても流行っていた
しばらくしてミニコミが出てきた。同人誌は何だか古く感じた。で、ミニコミを出した。
そしてふと思った。同人雑誌とミニコミは何が違うのか。
やっていることは同じだが、概念が違う気がする。
同人誌は同人という「人」が主役。ミニコミはメディアという「場」が主役。そこが違った。
JAZZやクラシックなど、芸術家は「同人」。それに対して、ロックはライブハウス主体の「メディア」だった。
テクニックや芸術性ではなく、その場を共有するのがロックだった。そこが同人とメディアの決定的な違いだった。
次にマンガ評論家になった。渋谷陽一とロッキングオンを創刊する。
昔はインターネットのような情報メディアがなかったから、大人とこどもの世界に大きな隔たりがあった。
だから、大人になるということには大きな覚悟が必要だった。
ロッキングオンを初めて新宿の紀伊国屋に置いた。こんなに売れたことはなかった。これが72年。
メディアを持続させるためには金が要るが、すべてを売り切る無茶な計画だったので、赤字続きだった。
それまで活字だったが、写植がでてきて、写植を習いに修行に行った。
活字と比べて写植は、技術が要らない、場所が要らない、そして写植が拡がっていった。
そういう、古いものが壊れて新しいものが出てくる瞬間は、価格が決まっていないので儲かる!
しかしその後電算が出てきたため、写植は10年で衰退した。
写植は、73年から81年までやり、一番いいときにやった。
こんなにラッキーなことはそうは起こらないと思っていたが、
80年代に入って、もう一度同じようなことが起きた。それがコンピュータ。
当初は、動けばお金がもらえた。20秒200万とか、破格だった。
同じことが、また起きた。それが95年のインターネット。
世の中がホームページを作り始めたが、日本に作れる人がいない。
その頃は1ページ50万。一番賢いのは、儲かるときだけやってやめた人たち。
つまり、儲けるコツは、初めにやるということ。
ロッキングオンは4人で始めた。1、2、3号とやって、まだ会社でもなかったのに、
凸版の取り次ぎが奇跡的にできてしまい、4号から全国販売になった。
雑誌に共感した人も集まってきたが、金はない。十数人集まった人たちも次第にやめ、結局4人だけが残った。
何か始めるなら4人がいい。あと「面白い」と言って集まってくる人は信用しない。
最初に始める人は、本当にそれがやりたくてやってるが、面白いと言ってくる人は、
面白いからくるだけで、本当にやりたいわけじゃない。面白くなくなるとやめてしまう。
ビートルズも4人。それぞれ違う。5人だとうまくいかない。4人なら麻雀もできる。やっぱり4人がいい。
ロックはメディア、場。ギターもベースもできないけどロックがやりたくて、言葉でやることにした。
音楽を外したロックをやろうと思った。そして、ロックを外した投稿雑誌「ポンプ」を始める。
投稿雑誌は投稿で作るので、創刊号が作れない。
ネットワークは、つなげるやつをつなげる。組織できるやつを組織する、ともいう。
1年かけてロッキングオンで投稿を集め、3ヶ月何もなくても刊行できるだけのネタをためた。
すべての参加型メディアで一番大事なことはここ。自由にできますよ、って言っても実はできない。
ゼロから作れるのは芸術家だけ。でも、普通の人にもレスポンスすることはできる。
これをセルモーターと呼ぶ。やらせではうまくいかない。すぐにばれてしまう。
生の声、生のネットワークを用意して、そこに参加したい意思が集まって、そしてメディアになる。
これからのメディアは、間違いなく参加型になっていく。一部の偉い人が決める世界にはならない。
鉛筆からキーボードへ
72年から機械(写植)で書くようになったが、そこで、手で書くのと機械で書くのと何が違うか考えた。
手なら、何でもかける。まったく自由。機械の場合は、フォントの組み合わせでしかないから、つまりコラージュでしかない。
このネットの時代、オリジナルはない。すべてはレスポンスであり、コラージュでしかない。音楽もそう。リミックスでしかない。
オリジナルなものを作りたかったら、アナログな世界に戻るしかない。
昔は世界がばらばらだったから、何か変なことをやって目立つ必要があった。
今は違う。すべてはつながっている。その中では、誰もが思うことを他の人よりもちょっとだけ早く表現することが求められる。
他の人と違うことは受け入れられない。そういう人は、ネットワークから外れてください、ということになる。
現在とは何か
日経BPから、「インターネットはもうからない」という本を出した。
その頃日経BPがインターネットはもうかる、と言っていたから、ちょっとイヤミを言いたかった。
この本で言っていることは、インターネットはビジネスを超えるということ。
近代のビジネスは、間に入る、という時代だった。だから、なるべく大きくやることが重要だった。
インターネットは逆。中間を外すことがテーマ。だからビジネスにならない。儲からない。
インターネットの押さえておくべき意味
インターネットで一番大事なことは「発信者負担」。
昔は、受信者が負担していた。
今のインターネットでは、プロバイダー料払って、通信端末買って、パソコン買って、身銭を切って表現する。
原稿料をもらって発信する手段ももちろんあるが、表現者としてどちらが正しいのか、と思う。
原稿料をもらって表現する人よりも、身銭を切って表現する人、表現したい、という人の方が情熱として上ではないか。
これこそ、参加型社会だと言える。これがこれからの社会。
本当の意味でのソーシャルビジネス
みなさんWebをやってらして大変でしょう。
編集者というのは、実はすごく地道な作業だったりする。
目に見えるものはいいが、目に見えない作業がたくさんある。でもこれはお金にならない。
日本の企業は、目に見えないものにお金を払わないし、価格をつけない。
たとえば、「企画」という項目はあっても「企画費」という項目はない。
今めちゃくちゃ面白い企業、福岡の「リーフラス」
この10年間、毎年30人の新卒を集めて、現在300人を食わしている。
今、30人の応募に対して1万5千人が集まる。九州ではリクナビで第4位。でも誰も知らない。
よく、一芸でスポーツやってた人を営業にまわすつもりで採ったりするが、
実は本当に打ち込んできた人はピュアなのでそういうことできない。30くらいで壊れちゃう。
この会社は、スポーツやってた人を集めて、故郷に返す。
で、毎日20人ずつ、1週間で100人の面倒を見て、それを毎週やって、月に6000円の月謝をもらい、一人で60万稼ぐ。
300人の社員で、2万5千人の会員を抱える。
年に1回の会社イベントに1万5千人が参加し、それでボーナスを払う。
実働1時間。残りの時間は地域貢献に使う。
この会社はすごいんです。会社がなくなっても、誰も困らない。社員全員が100人の顧客を抱えているから。
これが新しいソーシャルビジネスのかたち。
100人から6000円ずつもらえばまわる。
さらにその会社が、国際ビジネスを始めた。留学生を採用して、故郷に返す。
まったく同じ構造で、初期投資なしでビジネスがまわる。
仕事が終わったらネットミーティングする。インターネットを使っている。
インターネット「を」使うことが大事。インターネット「で」じゃない。
これからは個人対組織の時代。
これからは、本当の意味での個人ができる。
今まではバラバラだったから、目立つ必要があったが、これからは素の自分でいい。
ARに対抗してBRを企画中である。
働くっていうことはどういうことか。
これからは、人格を統合する時代。仕事も、遊びも、学びも、すべて統合される。
深呼吸と同じで、これは繰り返される。開く時代と、統合される時代。今は統合される時代。
人間、結局誰と付き合ったかなので、付き合う人を選ぶことが大事。
人間、すべての人と付き合えるわけじゃない。
Webは書籍の電子化、電子書籍はWebの書籍化。
PDF Readerと同じ発想で、HTML Readerを作る。見えるWebから、読めるWebにする。
300冊自炊してみた。もう読んだ本はあまり意味がない。
読みたいと思って買ったけど読んでない本を入れておくと、自分だけの本屋ができあがる。
旅行に行って、好きな本が読める。新刊もいいけど、ここが電子書籍のいいところ。
今、会社が崩壊している。
昔、地域が崩壊した。
ストリートミュージシャンがたくさんいるが、この時代では、東京に来てデビューを狙ってはいけない。
地元で、毎月6000円を払ってくれる100人の顧客を見つけるのが、これからのやり方。
量の争いにしてはいけない。
質の争いにしなければならない。
SNSは、「してあげる」発想ではだめ。
参加する人の意思が必要。仕組みがあるだけじゃだめ。一緒にやる人たちが必要。
質疑応答
「Web2.0という、みんなで幸せに、という流れがあったが、今の時代はどうなのか。」
- 私もゲーム好きです。もうすぐモンハン始まるよね。
- ゲームはプライベートで、ネットワークはオープン。
- ゲームは個人が深く入り込み、そしてネットワークでソーシャルにつながる、という時代の流れの中の現象だと思う。
「これからのヒントはないか?」
- 素直になること。それが大事。
課外授業
時間的に、受けることができませんでした。
授業を受けてみての感想
会場がとてもいいところでした。
廃校になった小学校を利用しているのですが、比較的のどかな場所に建っていて、気持ちのいいところです。
日頃の喧騒から離れて、こういうところで授業を受けるというのも、たまにはいいな、と思いました。
今回受講したデザイナークラスは、なかなか良かったです。
振り返ってみると、「見えないものに気付く」というテーマで、実は一貫していたことに気付きました。
デザイナーときくと、どうしてもグラフィカルな仕事をイメージしてしまいますが、
実際には、もっと思想的な分野であるということがわかりました。
これを「デザイナー」と呼ぶべきなのかどうかまではわかりませんでしたが、
背後にあるルールに気付き、それを見えるようにしたり、
ルールを言葉にし、それを意図的に表現してみたり、
異なるものに共通点を見出し、それをつなげてみたり、
世の中の現象の道理を探り、そこに観点を与えたり、
そういったことを行う人、そういったことをする能力というのは、
いつの時代も、世の中をわかりやすくするためにとても重要なことだと思いました。
自分はデザイナーになりたい、とは思っていませんが、
見えないものに気付く人でありたい、とは、強く思いました。
以上。