10/10(日)に川崎市の東扇島で行われた京浜ロックフェスティバルで、
「にせんねんもんだい」という人たちを知りました。
かなり衝撃的だったので報告したいと思います。
京浜ロックフェスティバルにて
いずれもキャシャな感じの3人組の女の子バンドでした。
前のバンドの演奏が終わってからも、ギターの女の子がしばらく
チューニングしてました。
そして、何も言わずに演奏が開始されます。
はじめは、単純なギターフレーズをルーパーに入力しながら重ねていって、
ウネウネした感じのベースラインを作っていきます。
それをしばらくやった後、突然ドラムが入ってきます。
完璧な4つ打ちのバスドラに、少しずつ16ビートのハイハットが乗っていきます。
このドラムにまずしびれました。この人すごい。
まるで打ちこみのような激しいハイハットを、リズムを乱すことなく、ひたすら打ち続けます。
左右に頭を振って長い髪を振り乱しながらひたすら打ち続ける様が本当にカッコいい。
さらにそこに、ギターとベースが少しずつ音を乗せていって、
大体1曲10分くらいでしょうか、ひたすらミニマルなグルーブを作り続けます。
曲が終わりに近付くとドラムやギター、ベースの音が少しずつ減っていって、
最後はルーパーの音だけになり、それをギターの女の子が少し捻りながら
停止させるという、そんな演奏スタイルです。
こんな調子で無言のまま3曲くらいやると、
最後にギターの女の子がスタンドマイクに向かって(ちょっと背伸びして)
「ありがとうございました、にせんねんもんだいでした」
ってかわいい声でぼそっと言ってそのまま去っていきました。
にせんねんもんだいとは
にせんねんもんだいは1999年に結成されたスリーピースのガールズバンドです。
「二千年問題」と漢字で打ってしまうとまったく情報が出てきません。
「にせんねんもんだい」または「Nisennenmondai」です。
一応Wikipediaがあります。
にせんねんもんだい(Wikipedia)
ノイズミュージックと呼ばれる音楽をやっているようですが、
サイケと言われることもよくあるようです。
僕にはミニマルミュージックに聴こえました。
海外での評価が高く、海外ツアーや海外公演を数多くこなしています。
ミニアルバムを集めたアルバムがアメリカのレーベルからリリースされています。
公式ホームページはこちら。
nisennenmondai
自ら「美人レコード」というレーベルを作っていて、
そこから楽曲をリリースしているようです。
ディスコグラフィを見る限り昔の作品は自主制作なので、
現在手に入るかどうかはちょっとわかりません。
美人レコードのオンラインSHOPがあり、ここで作品を購入することができます。
bijin record
YouTube動画
正直、このサウンドの魅力は低音がヴォンヴォン唸るような大音響で聴かないと
伝わり切らないと思いますが、それでも何とかこの衝撃を伝えたいので、
少し動画を紹介していきたいと思います。
YouTubeでは、「にせんねんもんだい」または「Nisennenmondai」で検索すると、
ライブ音源がいろいろと出てきます。
どちらかというと「Nisennenmondai」でたくさん出てきます。
これはかっこいい。UKの「UPSET THE RHYTHM」プロモートによるライブの映像。
知っている方にはわかるかもしれませんが、途中、
Jeff MillsやSuegeonのような、ミニマルテクノに近いサウンドを出してます。
これもいい。2009/4/11(土)@梅田Shangri-la(大阪)。
SquarePusherを彷彿とさせるブレイクビーツに近いノリの曲。
激しいドラムとベース音が気持ちいい。
曲の後半ではグラムロックのような分厚い音も出してます。
ドラムスの姫野さやかが、contact Gonzoというパフォーマとセッションしたりしています。
@東京芸術芸能見本市/インターナショナル・ショーケース。
やはり、ドラムスの能力は他でも認められているようです。
これもカッコいい。
この曲は昨日の京浜ロックフェスでも流れていたと思います。
@GRAMAPHONE, LONDON / MON 25 FEB 2008 / PARADISE BUILDING AND BUILDING。
この映像には、インタビューに答える3人が映っています。
「サイケデリックと言われるが、サイケがよくわからないので」と申しております。
こうやってみると、至って普通の地味な女の子たちです。
これはちょっとコミカルでポップな感じの曲です。
このベースラインはSusumuYokotaの楽曲の影響を受けているのでしょうか。そんな気がします。
映像はなく、プライベートな感じの静止画が何枚か映っています。
同じ曲だと思いますが、こちらはライブ音源。
@Cafe Mono, Oslo July 3, 2010。
決して上手いわけじゃないんですが、
リードギターの音の出し方にセンスがあるなぁと思います。
あ、この曲、昨日の京浜ロックフェスの1曲目だ。
そっか、後ろのつまみを捻って作ったような音は別のマシンで出してますね。
これをいきなり聴いて、超コアなミニマルテクノだったので衝撃を受けました。
20分ある長い曲なので、お好きな方は通しで聴いてみるとその魅力が伝わるかもしれません。
続きの動画↓
続きの動画です。
やはりYouTube動画ではこのバスドラ~ハイハットが入ってくる興奮が伝わらないですね。悔しい。
これもかっこいい。@Shibuya O-nest 2004。
ここからは Jazzjuice2008 4連発です。聴き応えあります。
@Elektronisk Jazzjuice in Aarhus, Denmark, July 19, 2008
サイケと呼ばれる理由は、おそらく「テッテッテッテッ…」って鳴らす
ギターの音やベースの音にたまにそれらしい音が混じるからだと思いますが、
サイケで括ってしまえるバンドではない気がします。
以上、少しでもその魅力を伝えられれば、と思い
いくつか動画を紹介させていただきました。
まだまだたくさんライブ動画が上がっていますので、
興味のある方はぜひ検索してみてください。
ライブ情報
10/19~26は"UK & Scandinavia tour"ということで海外をまわるようです。
11/3(水)には吉祥寺club seataにて「風呂ロック企画★★★いっきvol.1」に出演する模様。
これは行ってしまうかもしれない。
しかし、どういう化学反応をしたら
女の子3人組がこういうサウンドを出せるようになるのか。
本当に魅力的なバンドです。早くCDを聴きたい。